星屑

まっすぐ前を向くと、さがりかけた太陽と目があう

この季節のゆうがたがいちばん、しあわせになれる

 

背の低い建物たちは、みんなオレンジ色に照らされて、いつもより優しい存在に見えたりする

小学生のときも、中学生の時も、高校生の時も、この景色をみて、おなじような顔をしていたに違いない

 

あかるい世界がすきだし、部屋にはやっぱり太陽がほしい

春も、夏も、冬も、すばらしいものかもしれないけれど

暑さが嘘みたいに消えていってしまって、これから必ず寒くなるのだと、そう思わせる秋がすきだ

これからくる冬を、まぶしく光る太陽越しに思う

まるで、はるか遠くにいるような気がしていた

 

今年もひっそりと、金木犀が香っている

一瞬、人々はふりかえって微笑んで、またせわしなく走っていく

そうしたらすぐ、夜になって、朝がくる

星屑がちらばって、冬がくる

せっかちだから

17g

 

大さじの計量スプーンを使う、これで少し山ができるくらい

 

チャイを入れる時は、濃さが大切

なんだってそう、チャイじゃなくても、ココアでも、ロイヤルミルクティーでも

私はだいたい粉末派、

いちばんのタイプを見つけるまでに、見なかったことにしたあれやこれ

いまでは落ち着いてるので、許してほしい

 

夏、さいごであろう台風があっけなく逸れていって

残ったものは、うわあっと青い空ではなく

のろのろとした低気圧と、ひんやりした風になってしまった

秋だって、みんながいってる

 

そして、私はチャイをいれる

アイスにするとどうしたって薄まってしまうから、自然と夏は出番がない、チャイの粉

ほとんど半年前の残りだけど、そのままにしておいてくれてよかった

 

そろそろ、注ぐお湯の量もわかってきた

いい、習慣はやはり心地がいい

 

ああ、熱そう、熱そうだなあ

でもだいじょうぶ、氷、いれます

ぬるめが好きなわけではないし、近所のコーヒーショップでは、いつも熱々のラテ

でもやっぱり、せっかちだから

これが、わたしにぴったりの習慣

 

 

 

きみとしゃべる、ぼくがみつかる

誰かとおしゃべりしているとき、

急に自分のあたまのなかがクリアになるときがある。

 

ああ、私はこういうことを考えていたのかと妙に納得してしまう。

 

きっと頭ではわかっているつもりでも、

忙しい日々で散らかった部屋のような状態で、

大事なものが、どこかに隠れてしまっているみたいな、そんな感じ。

 

そんなとき、声と耳と言葉のすばらしさを再認識する。

 

日頃から、言葉をこえることばを追い求めて

その持久走に夢中になってしまいがちだけど、

なんだかんだ言葉は優秀だ。

 

わわあっと一気にしゃべるだけでも、じゅうぶん。

 

さっき勢いでしゃべったことは、もう覚えていないけれど、

探していたものはちゃんとみつけられたみたい。

 

 

最近思うことは、もう少し自分も周りも信じてあげようってこと

自己犠牲をいとわずにスタートダッシュを切ってしまうから、やっぱり疲れやすいってようやく納得できた。

 

みんなからほめてもらえることが多いけど、どうしても心のどこかで

「イヤイヤ...ソンナコトナイデスヨ、ダッテホラ...」

そんな念仏を唱えてしまう。

 

どうしたら自分に自信を持てるんだろうって

どうしたら自分を認めてあげられるかなあって

ここのところはそればかり考えていたね。

 

失敗するのはこわいし、同年代とは張り合っちゃうし

なんだろうね、面倒くさいね

 

でもそんなの百も承知よ

 

もらったものを心の底から認めること

もうそれだけでいいんだって、ふいにおもった

 

それだけでもう、勝ってるみたいなもんだろ

あっちがわとこっちがわ

いつからか、眠くなるような映画を好むようになっていた。

 

ただ、時間だけがゆっくり流れていく。

スクリーンに映る、平凡な朝食はとくべつ美味しそうで、

衝動的に台所に立ち、丁寧に目玉焼きを焼いてみたりしたものだ。

 

いつもあっちがわに行きたいと思っていた。

 

茶店が好きで、コーヒーはあまり飲めないけれど

茶店そのものがすきだった。

 

自分が、カウンターの中でラテを作っていることを想像するだけでもしあわせだった、そんな気がしている。

 

それなのに今、あっちがわは気づかぬうちにこっちがわになっていた。

 

チェーン店ではあるが、いちおう喫茶店

制服を着て、名札を付けて、できる限りのスピードでアイスコーヒーを提供する。

 

確かに、あっちがわだったはずなのに、

たどり着いたことに、大きなうれしさもなく、

今ではシフト表を見るだけで、ふうと息がこぼれる。

 

楽しくないわけではない。

店長はふざけているが、ちゃんとしている人だし

チーフだって、私を見捨てず、なんとか育ててくれている。

それなのに。

 

ここは、私の来たかったあっちがわじゃない。

 

そう、コーヒー豆を挽きながら思ってしまった。

 

ゆめはゆめ。かなう、かなわないじゃない。

ずっとゆめなんだね。

 

あっちがわにたどり着いたと思ったら、たちまちこっちがわになってしまう。

 

その背中には、永遠に触れらえないんだろうな。

 

そうやって、私の暮らしもあたりまえになっていくんだろう。

 

ほしいものが手に入ると、突然すがたが変わっていくのを、見たことはありますか。

 

心奪われた、藍染めのコインケースは、

だいたいいつも、引きだしのなか。

昼夜逆転な暮らし

2時や3時という表記に、罪悪感を感じなくなってきた。

 

きのう寝たのは、確か4時過ぎだったか。

レースカーテンの向こう側が、しだいに青くなっていくのを眺めながら眠りについた。

 

私はやっぱり夜型の人間なのかもしれないが、

大学受験のために猛勉強していたころは、朝の5時に起きていた。

夜もそれなりの時間に寝ていたんだろう。

 

やることは多いけれど、忙しいわけじゃない。

大学がオンライン授業になってから、そんな日々が始まってしまった。

そして、生活のゆるみがだんだんと取り返しのつかないものになっていく。

 

そう、そんな生活を続けたなれの果てが、こうだ。

すこしずつ瞼が重くなっていく。

ベッドに入って急に目がさえるなんてこと起きないといいが。

 

今日は、うまく眠れるだろうか。

 

0時には目をつむって、そのまま1分もすれば眠りの中にいたあの頃に戻りたい。

いつだったかは覚えていないけれど、たぶん、あの人と付き合うようになる前か。

 

少しずつ、眠たくなってくる。

無印良品で買った長袖クルタが、ちょうどいい体温を守ってくれている。

 

夜更かしをしてしまう原因は、その日に満足していないかららしい。

まあ、確かに。

だって、今日起きたの午後三時だし。

そりゃあね。満足できてませんわな。

きのうの私はやることやって、気持ちよさそうに寝てたってのにさ。

 

丁寧な暮らしがしたいね。

はは。私は今、昼夜逆転な暮らし。

 

まずは、ずっと後回しにしていたクレジットカードを手に入れよう。

そのためには、マイナンバーカードを手に入れなければ。

そのために、新しい証明写真も。

 

ああ、なんて面倒くさいの。

私は私よ。さっさと信じて、カード送ってくれ。お願いだから。

 

はやく一人暮らしがしたい。

丁寧な暮らし、を目指す、後回しやろう。

 

せいぜいいいゆめでもみて、あした頑張るか。